秘密なんかない,と彼は云う。そしてそれしか云わない。本当に秘密のない人間は,もっと冗舌なものだったりする。
謎に満ちたシリコンバレーの新興チップメーカー,トランスメタ社に9月29日,新しい特許が付与された。これは,インテル社が防御している2つの主要特許を回避しつつ,インテルチップをエミュレートできる可能性を秘めている。これが製品化された場合,トランスメタはインテルにライセンス供与料金を払わずに済み,安い価格でチップを販売できる。トランスメタの最新の特許は,プロセッサーの状態を一時的に保持しつつ,処理を行っていくというもの。これは,インテルチップ向けの命令を変換したものを保持し,2度目からは保持したものを利用することで素早く処理を実行できる結果に結びつけられる,と考えられている。
謎の企業,トランスメタ(過去記事)の謎の一部が,またちょっとだけ顔を出した。実質的に,トランスメタ社がなにをやっているのかが表に出たのは,前回(CNET Japanの記事)と今回の特許付与時のふたつだけ。4日からのマイクロプロセッサー・フォーラム,11月のコムデックスで,なんらかの発表が行われると噂されているだけにいろいろと動きがある。ソフトによってインテルチップ向けの命令,またはそれ以外のOSの命令を,トランスメタのチップが理解できるように翻訳し,今回の特許にもある設計で,高速にエミュレートする。う〜ん,このアウトローでイリーガルっぽい,それでいて洗練されているスマートな無駄のない生き方(か?),わくわくしてしまう。
それにしても注目されるのはトランスメタ社のウェブサイト。「まだホームページはない」のひと言だけ書かれている。思わずソースをのぞくと,「このソースに秘密のメッセージなんかないんだったら」って書かれてる(^^ゞ。意図的なこの秘密主義の内幕が,はやく知りたいゾ!
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